3月生まれの作曲家を紹介
3月生まれの作曲家はヴィヴァルディ、バッハ、ハイドン、ショパン、スメタナ、サラサーテ、ラヴェルが挙げられます。
フルネームはアントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi)、1678年3月4日に今のイタリアのヴェネツィアで生まれた作曲家でありヴァイオリニストです。
作曲家として協奏曲、室内楽、オペラ、宗教音楽など数多くの曲を残しています。
また作曲家として活躍しながら、25歳でカトリック教会の司祭に叙階され、その赤毛の特徴から「赤毛の司祭」と呼ばれていました。
協奏曲集『四季』は誰もが知る有名な曲ですね。
『四季』はその名前の通り『春』『夏』『秋』『冬』の四つの楽曲から構成されていて、さらにそれぞれが3楽章あります。
各曲にはソネットという定型詩が付されていますので、『春』の第1楽章だけ紹介します。
『春が来てはしゃぐ 小鳥たちは陽気な歌でよろこび迎え 泉はそよ風の息吹に やさしくこんこんと湧き出る 黒いマントで空を覆いつつ 気高い稲妻と雷が春の到来を告げに来る 口上が終わったあとに 小鳥たちが再び 魅惑的な声で歌い出す』
フルネームはヨハン・ゼバスティアン・バッハ(独: Johann Sebastian Bach)、1685年3月31日にドイツのアイゼナハで生まれ、鍵盤楽器(オルガンやチェンバロなど)の高名な演奏家であり作曲家でした。
バロック音楽の集大成であり、対位法的要素を重視したバッハは、後に西洋音楽の基礎を構築した『音楽の父』と称されています。
対位法とは、複数の旋律をそれぞれに独立性を保ちつつ、調和させながら重ねる作曲技法です。
演奏と作曲に生涯をささげた彼の曲は、現在もその整理が続けられていて、約1100の作品が扱われています。
『主よ人の望みの喜びよ』『G線上のアリア』『小フーガ ト短調』などは、誰もが知っている曲ですね。
有名な『G線上のアリア』は、バッハの『管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068』の第2曲『エール (Air)』をバイオリニストのウィルヘルミが編曲した曲なんですが、この編曲の際にニ長調からハ長調への移調を行ったためにヴァイオリンのG線のみで演奏できるようになり、『G線上のアリア』の通称で呼ばれるようになりました。
フルネームはフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Franz Joseph Haydn)、1732年3月31日に今のオーストリアのローラウで生まれ、後に『交響曲の父』『弦楽四重奏曲の父』と呼ばれるほど、数多くの交響曲や弦楽四重奏曲などを作曲しています。
当時のハイドンの名声はあまりに高く、別人の曲をハイドンの名前で出版されることもあったようです。
またソナタ形式を確立・発展させ、後の作曲家に大きな影響を与えました。
弦楽四重奏曲など優れた曲が多いのですが、演出として面白いのが交響曲第45番『告別』です。
この曲では最終楽章の演奏途中で演奏者が少しずつ舞台から去っていき、最後にはバイオリニスト2名だけになってしまいます。
これは当時仕えていたエステルハージ家の夏の離宮での滞在が長引き、家に帰りたいという楽団員の願いをアピールするための演出だったという逸話が残っています。
フルネームはフレデリック・フランソワ・ショパン(仏: Frédéric François Chopin 、ポーランド語: Fryderyk Franciszek Chopin)、1810年3月10日(諸説あり)に今のポーランドのジェラゾヴァ・ヴォラで生まれ、7歳で『ポロネーズ ト短調』を作曲、8歳で演奏会を開いています。
ピアニストとしても作曲家としても有名だったショパンは、『ピアノの詩人』と呼ばれ、その作曲のほとんどをピアノ独奏曲が占めます。
生涯を通じて肺結核に悩まされた病弱な芸術家でありながら、情熱的な作風の曲も多く残しています。
故国ポーランドへの強い愛国心を持ち続け、ポーランドの民族音楽であるマズルカやポロネーズの独特なリズムを題材とした曲が多いのも特徴です。
題材としてのマズルカとポロネーズの違いを簡単に言うと、マズルカが庶民のための音楽、ポロネーズは貴族や宮廷のための音楽となります。
フルネームはベドルジハ・スメタナ(チェコ語: Bedřich Smetana)、1824年3月2日に今のチェコのリトミシュルで生まれた作曲家でありピアニストです。
スメタナはチェコの独立国家への願望やチェコ民族主義と密接に関係する国民楽派を発展させた先駆者であると言われています。
最も知られているであろう曲は、交響詩『わが祖国』の中の第2曲『モルダウ』ですね。
『わが祖国』はスメタナの祖国であるチェコの歴史、伝説、風景を描写した作品で、スメタナは聴力を失いつつも6曲の交響詩を書き上げました。
『モルダウ』はチェコで最も長い川であるモルダウ川(モルダウはドイツ語で、チェコ語ではヴルタヴァ)の流れを描写しています。
『モルダウ』に歌詞を付けた合唱曲はいくつかあり、岩河三郎作詞『モルダウ』や平井多美子作詞『モルダウの流れ』などです。
歌詞は違っても、中学校で歌った覚えのある曲です。
フルネームはパブロ・マルティン・メリトン・デ・サラサーテ・イ・ナバスクエス(Pablo Martín Melitón de Sarasate y Navascuéz)、1844年3月10日にスペインのパンプローナに生まれた作曲家であり、ヴァイオリニストです。
作曲家としてもちろん高名ですが、ヴァイオリニストとしても一流で、10歳の時にはスペイン女王の前で演奏を披露するほどの腕前だったそうです。
サラサーテが演奏・録音した音源は今でも復刻されて残っています。
作曲家としてのサラサーテの有名な曲は、何と言っても『ツィゴイネルワイゼン』でしょう。
『ツィゴイネルワイゼン』とは「ジプシー(ロマ)の旋律」という意味で、ロマの音楽や当時の大衆音楽を題材として作られています。
劇的でありながら哀感を持ち合わせる、とても技巧的なヴァイオリン曲です。
フルネームはジョゼフ・モーリス・ラヴェル(仏: Joseph Maurice Ravel)、1875年3月7日にフランスのシブールで生まれた作曲家です。
色彩豊かな曲を多く生み出しながら、古典的な形式美を守り抜いた作曲家でした。
有名な曲では何と言っても『ボレロ』、ムソルグスキーのピアノ曲を編曲した『展覧会の絵』、『亡き王女のためのパヴァーヌ』『マ・メール・ロワ』など、どれも素晴らしい曲ばかりです。
『亡き王女のためのパヴァーヌ』は「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」という解説ですので、特定の女王に捧げて作られたものではないようです。
パヴァーヌというのは16世紀のヨーロッパで流行した行列舞踏のことで、二人で踊る落ち着いた威厳のあるカップルダンスだったようです。